11/04/2011
今年最後のレポートになりますが、酵母の締め括りとして、アウグスビールの宣伝も入れてしまいます。
さて、これまで酵母の不可思議につて書いて参りましたが、醗酵を司るビール酵母自体にはアルコールは含まれていません。酵母が麦汁に入れられ、醗酵し始め た段階で、はじめてアルコールと炭酸ガスが生まれます。そこでできたビールは、アルコール を含んだいわば麦汁の「うまい部門」。そして、たっぷりの栄養を吸収して下に沈んだ酵母は、いわば麦汁の「栄養部門」です。
ビールづくりにおいて、化学物質の添加物を使うことは許されません。ですから、ビール酵母に含まれる栄養成分も、すべて天然由来のものです。ビール酵母は、大麦のもつ大地と太陽の恵みをギュッととじこめた、ナチュラル・サプリメントなのです。
■ 酵母には整腸作用があり、乾燥酵母を原料にした整腸薬品(Ex. エビオス)も既に市販されています。活性化した酵母がそのまま活きていると更に効果が高く、アウグスビールを飲むと美容にも、ダイエットにも良いと言われる由縁です。
■ 大手ビール会社の使用するカーボネターによる炭酸ガスのビールへの溶解は、炭酸ガスを所定の圧力で、ビールに瞬時に溶け込ませます。人工的に強制的に溶け込ます為、①溶液に馴染みにくく、②ややもすると過飽和に溶け、お腹に入って炭酸ガスの分離が短時間でおきてしまう。
■ アウグスビールは、酵母が醗酵して造った泡のみですので、水の分子との共生は30日を越えています。酵母は3ミクロンのサイズであり、その泡は更に細かく1ミクロン、更に長い間の水の分子との結合はお腹に入っても分離しにくい、すなわち「お腹の張らないビール」となります。
是非、アウグスビールを飲んで実感して下さい。
11/04/2011
お酒造りに欠かせない醗酵を司る酵母の世界は奥が深い、将にイースト・コントロールが酒の味を決めると言っても過言ではないのです。ビールを作る為に使われる酵母は2,000種ほどあると聞きます。新しいスタイルのビールを造る時には、最終の味を想像した上で幾つもの酵母を試してから、最適の酵母を決定します。酵母は基本的な味、香りを決めるビール造りの生命線なのです。
ちなみにアウグスビールは、ドイツのミュンヘン工科大学から種酵母を購入し使用しています。この大学の醸造学科の前身はベネディクト派のヴァイエンシュテファン修道院です。
購入した酵母は劣化させないように「酵母バンク」に預け、仕込みの度に少量から培養させて使用します。しかしながら、酵母は気まぐれで、1回目の仕込みでは寝とぼけるいるようで、醗酵が不十分な場合が多い、2回、3回と使い回しているうちにウォーミングアップも終わり、旺盛に醗酵活動します。8回以上使うと今度は疲れてきて旨いビールが造れなくなります。また、原料とのマッチング、温度、湿度と云った環境次第で醗酵の具合が異なります。この様に全ての醗酵の過程が異なるビールをほぼ同じ味に結実させるのが、ビアマイスター(醸造家)の腕なのです。
11/04/2011
酵母菌などの微生物は17世紀にオランダ人がレンズを発明するまでその存在は知られていなかったのですが、古代メソポタニアに継いで、古代エジプト人は、パンをカメの中で水に解し放置していたところ、表面に入道雲のような突沸がみられ、えも言われぬ陶酔感の香気が湧いてでているのを見逃さなかった。これこそがビールの登場であるのですが、空気中あるいはカメの周辺に巣くっていた自然の酵母がカメの中の糖を摂取しアルコール醗酵が起きたのです。つまり古代エジプト人は醗酵担体すなわち『酵母』の存在を知っていたわけです。
飽くなき食のレパートリーの拡大の観点からビール造りでも酵母の存在を見逃さなかった古代エジプト人は、醗酵を終えた時点でカメを空にせず、底にある程度の量を残すと、つぎにお粥を加えると醗酵の勢いが増すことにも気付いたのです。
更には、古来から伝承された『調理』法が酵母をして大麦の麦芽の汁に馴化させることになり、大麦の麦芽以外の雑穀のお粥を使用すると醗酵が悪くなる事を発見した結果、大麦麦芽を粉砕して出来る麦汁が選抜されたのです。まさに飽くなきビール造りですが、今日の麦芽を使用しない新ジャンヌのビール(リキュール類)の出現を知ったらガッカリすることでしょう。次回も酵母です。
11/04/2011
ビール原料の三大要素は麦芽・ホップ・酵母と言われますが、麦芽、ホップと書いてきましたが、ついに酵母の出番です。この酵母が最も面白いと云うか不思議な存在と云えます。 ビールを愛するロマンチスト醸造家は、酵母は地球誕生の38億年前から地球上に存在したと公言しているのですが、何故かと云えば無酸素でも生存出来るからです。
酵母は有酸素状態では増殖し、無酸素状態では醗酵活動をします。分かりにくい方は、パン造りを思い出して下さい。パンもビールもサッカロミセス属の酵母ですが、有酸素状態のパン造りでは酵母はひたすら増殖してパンを膨らませますが、アルコールは発生しません。ビール造りの時は無酸素状態なので、酵母は発酵活動を開始します。麦芽を粉砕して造られた麦汁に酵母を加えるとブドウ糖2個からなる麦芽糖を摂取し、アルコールと炭酸を代謝します。このことが、同じ酵母なのにパンはアルコールが発生せず、ビールはアルコールが発生するメカニズムです。
では、同じ酵母の発酵活動で造られる日本酒、ワインには炭酸ガスが含まれていないのに、何故ビールには含まれているかは、自然の神秘ではなく、ハードの違いというガッカリする回答で、製造設備の違いからです。日本酒、ワインの発酵タンクには蓋がないので炭酸ガスは大気中に放出されますが、ビールの発酵タンクには蓋があるので、炭酸ガスは炭酸溶液となりビール液中に溶け込むからです。 次回も酵母です。
10/29/2011
前回書きましたが、毬花は乾燥させた後、そのまま麦汁に投入されることもありますが、一般的には圧縮されてチップ状のペレットに形を変えます。 もし機会があればこのペレットをひと噛みしてみて下さい。強烈な苦味で1時間は口の中がマヒしてしまいます。将に「良薬は口に苦し」を実感出来ます。
ところで、何故幼い子供は苦味を嫌うのか? 実は、多くの毒物に苦味が含まれているので、人間に残された数少ない本能により「これは食べてはいけない!」と判断するからだそうです。しかし、苦くても毒でないものは沢山あり、「これは食べられる!」と判断するのは学習によるそうです。身近な人間が、例えば親が苦いものを「旨い旨い」と食べていると子供も手を伸ばすようになり、それを繰り返しているうちに習慣となり、本当に旨いと感じるようになるそうです。塩辛などはいい例ですね。ビールも子供は苦手ですね、大人になる過程で、「オール」「新歓コンパ」を重ねているうちに「日本酒、焼酎、ウィスキーの一気よりはビールの方が楽だ!」ってことで、ビールが旨いと感じるようになると聞いています。僕のバドワイザージャパン時代によく聞いた話ですが、「学生の頃はバドを飲んでいたのが社会人になると、日本の大手ビールに変節するのは、バドを飲んでいると上司に叱られるから。」だそうです。確かにバドワイザーは清涼飲料のように思われていたのも事実ですが・・・。